津波襲来時、燃料等が流出して、電気配線やバッテリーの浸水によるショート、高温の物体の接触、火気の存在により、津波火災が発生するものと思われます。
このとき、流出した燃料の表面を不燃性の流体で覆うことで、窒息作用により、津波火災を予防・消火することができるのではないかと、みじんこ総研では考えております。
具体的には、火災の原因となる燃料より比重の軽い不燃性の液体や、流動性の高い発泡する(させた)泡消火剤を、浸水時に流出させ、浮力により燃料の表面を覆わせて消火します。
津波火災消火方法
風雨や直射日光を避けるための簡単な小屋の内部に、消火液を貯留した容器を、浸水時に蓋が外れて消火液が拡散されるように置いておくだけで、津波により浸水した際に消火液を流出させることができます。これにより、一定範囲の消火が可能になるのではないかと考えております。
このような、津波火災消火のための簡易な施設を、みじんこ総研では「津波火災消火ポイント」と呼んでおります。
配置個所・配置方法
津波火災消火ポイントは、火元や避難所など、津波火災を予防・消火することが必要な場所に重点的に設置したり、一定の間隔ごとに配置して地域全体の火災の予防・消火または抑制を狙うと、合理的に計画できるものと考えております。
~津波火災消火ポイント設置個所の例~
- 燃料の流出個所付近(または、燃料を使用する機械に消火液のタンクを併置)
- 燃料を堰き止めやすい場所(漂流物がフェンスを形成する木造住宅の密集地区など)
- 燃料が漂着する場所(海岸線)
- 避難所の周辺(津波避難ビル、津波避難タワー、みじんこ総研の水害救出装置)
- 延焼・拡散防止(網の目や線状に流出させ、水上に防火帯を形成しやすい配置)
消火液について
津波火災消火ポイントの実施には、まず、使用可能な消火剤や効果のほどを研究・検証する必要があります。
火災消火のメカニズムは、解明されていない部分も多いので、都市伝説的な方法も交え、消火液について、ちょっと書き出してみたいと思います。
- 泡消火剤
- 液状の無機物または溶液
- 中性洗剤(界面活性剤)
- マヨネーズ
- 不活性ガス
駐車場などに用いられる泡消火設備は、消火剤の噴出時にノズルなどにより発泡させます。これに対し、津波消火ポイントでは、海水との化学反応等により発泡可能な消火剤を用いると(存在するのか、または開発できるかわかりませんが)、非常に合理的かつ効果的に消火が行えると考えられます。
但し、泡消火剤は発泡した状態では流動性が低く拡散しにくいため、火災発生の可能性の高い場所の付近にピンポイントで用いるか、燃焼箇所に到達した際に熱により発泡する液体を用いると、有効に消火できるのではないかと思われます。
液体自体の比重、粘性および親水性(水との親和性)が十分に小さい場合、浸水時にそのまま流出させるだけで消火剤として機能できるのではないかと思われます。
油火災に中性洗剤を投げ込むと消火できるという話がありますが、界面活性剤による親和性と発泡によるのでしょうか。
中性洗剤そのものでは、比重も小さくなく、おそらく海水に親和して水中に拡散してしまうので、当案には使用できないかもしれませんが、発泡性や水面を拡散する流動性といった物理特性は消火に効果的かと思われます。
天ぷら火災はマヨネーズで消火できるという話がありますが、ネットで調べると、どうやら中性洗剤の方が効果的のようです。意外性が先走り、話題になったのでしょうか。
消火の原理は、よくわかりません。
比重の大きな不活性ガスを発生させ、水面を漂わせることにより消火させる方法も考えられます。水面に漂流者がいる場合、火炎のみならずこの漂流者をも窒息させてしまうため、火炎の熱により不活性ガスを発生させることが必要と思われます。
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