住宅その他全般
あまり大きくない居室等の場合、天井面ではなく、壁面や、壁面に沿った天井側辺のみに給気口や排気口を設置することができます。
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天井側辺に給気口を設ける場合、折り上げ天井とすると、意匠的に美しいしつらえとすることができ、間接照明も仕込むこともできますが、さらに、吹き出した気流は壁面に沿って床面に到達しやすくなる(コアンダ―効果といいます)ため、気流を乱さず、排気口への滑らかな層流を形成しやすいのではないかと考えます。
従来、壁下部に排気口を設置することは、手術室などの特殊な用途を除き、とてもまれでしたが、感染防止の為の気流アレンジメントの視点からは、非常に良い効果を生むことになります。上図のように、天井から給気された空気が当該排気口に吸引され排気されることにより、当該室に対して対角に換気することが可能となり、置換空調に近い換気効果を得られます。また、入巾木状に形成でき、折り上げの天井同様、間接照明を仕込んだ意匠的なしつらえとすることができます。
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図のように、壁面側辺に沿った鉛直方向の制気口とした場合、給気口と平行にならないため、乱流が多く発生するものと考えられますが、取り残しの少ない、より置換空調に近い換気が期待できます。
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一定以上の広さのある室の場合、天井中央付近に給気口を設け、壁面下部に排気口を設けることにより、放射状や複数方向に広がる一方向流を形成することができます。

排気口とダクト部分のみを造作家具状に形成した例です。
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