避難所
導入が容易で、快適な空調を可能にしつつ、高度に感染防止を図ることのできる避難所の換気システムを提案します。
浮床モジュールを用いた置換空調システムです。制気口ユニットの配置により、浮き床上の任意の場所を置換空調することができます。押し出しまたは吸い出しによりブース内の空気を置換します。
- モジュール構成により、自在なブースレイアウトに対応できます。
- 各ブース内に新鮮な空気を直接供給する置換空調により、快適な空調環境を提供しつつ、避難所内でのコロナウィルス等による感染を防止します。
システムの形成方法
- 構造について
- 接続について
- 構成方法について
中空空間を創出するグリッド状の浮き床モジュールを、相互に気密パッキンを介し接続させながら敷設し、構成する浮床全体の外周を気密パネルで塞ぐことにより、浮床全体で一体的なチャンバー(小空間)を形成させます。
空調機や換気ファンに接続したダクトを浮床の一部に接続し、各ブース内に吹出口(または吸込口)モジュールを配置することにより、各ブース内の鉛直方向の置換空調を可能にし、ブース相互の感染を防止します。
設置する体育館等の既設の空調換気設備に合わせ、以下に示す ①押し出し ②吸い出し ③バランス型のうち、適切な構成方法を選択して構成します。
① 空調済空気をブースに供給する押し出し置換空調・換気方法
ダクト接続タイプのPAC空調機等を使用する施設に最適です。
②に示す構成より、高い省エネ・空調効果を期待することができます。
既設空調機出口側のダクトまたはチャンバーに、避難所使用時用の吹出接続口および遮断ダンパーを設置しておき、非常時には、断熱フレキシブルダクト(樹脂等による変形自在なダクト)で当該浮床モジュールに接続できるようにします。
吹出口モジュールの吹出口を開度調整付のものとすると、供給空気量を調整でき、ブース内を好みの室温に個別調整することができます。(一定範囲に限る)
※ 上図では、ブース前面をカーテンによる仕切(出入口)としていますが、パネルや扉を設置してブース前面の気密性を高くすると、各ブースの熱環境やプライバシーを向上させることができ、さらに、通路側への空気の漏洩による感染を防止することができます。
② ブースの空気を吸い出す置換空調・換気方法
天井カセット式PAC空調機等を使用する施設に最適です。
既設の換気設備の方式が3種換気の場合、排気ファンを浮き床モジュールに接続します。
多くの体育館等の既設空調換気システムに適用しやすく、接続が簡単なため、導入が最も容易になるものと思われます。
③ 給排気バランス型置換空調・換気方法
モジュール間の気密パッキンに代えて、断熱性のある遮断パネルを挟み込むことにより、浮床内にダクトを形成することができます。
これにより、各ブース内で給気・排気双方を行うことができるようになり、各ブースは完全に閉じたプライバシーの高い空間とすることもできるようになります。
さらに、換気系統・空調系統を分けたダクト構成とし、繊細な温度調整をすることも可能です。
尚、給排気のいずれか一方を、縦ダクトユニットにより床モジュールから取り出し、ブース内の高い位置から給気/排気させる構成とすると、ブース内を、より効率良く空調換気することができます。
※ ダクトはパネル内に収まる(パネルと一体化した)構成としても良いですが、パネルの厚みが大きくなり、通常時の格納が不便になるものと思われます。
モジュールの構成について
さらに、最小限の構成とし、通常時はコンパクトに格納しておき、非常時には簡単に設置できるシステムを検討中です。
体育館等、平滑で気密性の高い床面を有する避難所では、浮き床モジュールの底板を省略することができます。
上記③のように、浮き床モジュールによりダクトを構成する場合は、仕切りとなる板/フレーム底辺に気密パッキンを設置します。
その他
電気配線とノマドワーク
浮床内は電気配線も自在なため、ブース内での電源使用を可能にします。
PC作業等を可能にすることで、避難時のQoL(生活の質)を向上させると同時に、避難者のノマド/テレワーキングおよび社会復帰・業務復帰を強力に支援することができます。
省エネと非常時の空調設備の稼働
空調熱源に地中熱を利用すると、通常時の空調エネルギーを節約することができ、また、避難所としての利用時には、地域への電力の供給が停止しても、非常用発電機等の小電力により空調環境を提供することができます。
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