飲食店・居酒屋

 居酒屋のように、呼気量が大きくなり、飛沫・エアロゾル共に感染の危険性が大きくなる飲食店での感染防止方法の提案です。

飲食店・居酒屋のテーブル席の感染防止(不使用時)
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 1つのテーブルおよび客のグループに対し、全体をビニルカーテンで覆い、ドラフトチャンバー状の空間を構成します。

飲食店・居酒屋のテーブル席の感染防止(使用時アニメーション)

 ブース内部ではスクリーンにより互いの飛沫感染を防止しつつ、テーブルごと局所排気することにより、室内(ブース外)に呼気を漏らさず、ブース内部では気流を整流させて互いのエアロゾル感染を抑制しています。テーブル中央部はシェア&乾杯スペースとして、パーティションに開口を設けてあります。

 排気風量が不足した場合、ブース内のエアロゾルの濃度が高くなり、グループ内での感染のリスクが増大します。
このため、排気風量は十分に確保し、ビニルカーテンは天井に極力密着させてカーテン下部から排気口までの一方向流を安定して形成させることが肝要となるものと思われます。

 ブース内は3種換気とし、冷暖房に関しては、基本的にはアンビエント空調となりますが、ブース内の一方向流を乱さない範囲で、ブース下部に、冷温風の噴流を到達させたり、フレキシブルダクト(吹出をキャンバスダクトとすると良いかも知れません)を延伸させたり、コンベクターヒーターやスポットクーラーなどを局所的かつ補助的なリヒーターとして近接した位置に設置すると、安全かつ有効に冷暖房効果が得られるものと思われます。

 ※尚、必要排気風量はかなりの大きさになるのではないかと思われます。
 テーブル上のスクリーンについても、上図では乾杯のし易さや料理の受け渡しの容易さを考慮して低く描いてしまいましたが、感染防止の為には、席に座った際に頭より高くなる程度の高さは必要なのではないかと考えます。


 <改良案>

飲食店・居酒屋のテーブル席の感染防止(シェアスペース・カウンター付)

 感染防止効果が大きく、さほど大きな風量を要しない改良案を追加しました。

 着席者相互を完全に区画してそれぞれにブースを形成させ、背後のカーテンや暖簾によって気流を低い位置から誘引することにより、着席者の呼気をブース外部に漏出させずに天井から排気させます。

飲食店・居酒屋のテーブル席の感染防止(気流説明図)

 中央にはシェア&乾杯スペースとして、パーティションに開口を設けてあります(とはいえ唾液の付いたグラスやジョッキを乾杯するのは危険かもしれません)。シェアする料理に唾等の飛沫がかからないように、上部には飛沫防止カバーを兼ねたカウンターを設置しています。上段は、とりわけた料理やビール、独り占めしたい小皿などを置くことができます。

 テーブル中央のシェアスペースは、完全に閉鎖した構造とし、上面のカウンターを開閉可能な蓋とすると、より強力な感染防止を図れます。
さらに、シェアスペース内にスライド可能なトレイを設置し、上面のカウンターの代わりに、前面に開閉可能なカバーを設置すると、座席間の空気感染を完全に遮断しつつ、カウンター上面を常時利用できるようになります。

感染防止を図るシェアスペース

 トレイは、皿とセットにし、任意の水平方向にスライドできる構造とすると、シェアスペース内で複数の皿を奥行方向も含めて自由に移動できるようになります。


 飲食店のカウンター席

寿司屋、バー等、飲食店の向かい合うカウンターの客席

 お寿司屋さんや屋台、バーなど、厨房と向かい合うカウンター客席の感染防止の構成例について解説します。

 お寿司屋さんやバーなどのカウンターは、壁や窓に向かう喫茶店等の客席と異なり、客と調理人が向かい合い、会話等のコミュニケーションを交えながら直接飲食を提供します。
このため、厨房・客席間や隣席間には、感染防止を図りつつ、料理等の受け渡しや会話が可能なスクリーンの構造が求められます。
そこで、ここに示す例では、それぞれの空間を隔てるスクリーンを、客・調理人それぞれの頭から一定以内の高さとし、会話ができるようにしています。また、厨房・客席間のスクリーンには、料理等を受け渡すカバー付きの配膳口を設け、受け渡し時以外は飛沫や呼気を通過させないようにしています。

寿司屋、バー等、飲食店の向かい合うカウンターの客席

 カウンター席の背後は、一般的な屋台のように、下端が腰高程度の暖簾(カーテン)が吊るされ、隣席間のスクリーンと共に客席のブースを形成します。
厨房・客席間上部に、排気スリット付きの排気ダクトを設置し、カウンター席や厨房の空気を吸込み排気します。
 このとき、カウンター席は、背後の通路部分に給気された空気を暖簾下部より導入し、厨房側は、厨房用給気口から給気された空気を厨房内を通過させ、排気スリットから排気します。
 ここで、レンジフードを作動させると、風量の大きさにより、客席側の空気を厨房に引き込むおそれがあります。これを防止するには、レンジフード付近に外気取入口を取設ける、レンジフードの換気扇と厨房用給気を連動させ風量をバランスさせる、カウンター席背後の通路と厨房間に、客席および暖簾、スクリーン等の無い開放的な部分を設け、パスダクトのように、空気の流通を当該部分に集約させる、もしくは、カウンター席と厨房間のスクリーンを天井まで突き付け、「スクリーン、ビニルカーテン、パーティション、什器等について」の項目で解説したように、音声を通すための開口を設ける、といった対応を採ることが考えられます。

空調換気により感染防止をしたカウンター客席とテーブル席の構成例

カウンター席とテーブル席の組合せ例です。このような構成方法は、多くの飲食店に適用できるのではないでしょうか。


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