津波救助装置の背景
津波救助装置の開発の背景について
近年、津波や洪水といった災害がとても多く、喫緊の課題として対策方法が様々な角度から検討・議論されています。ご周知のように、津波の襲来時は即座に避難することが大切であり、逃げ遅れるた場合、助かる可能性が小さいと見られています。
内閣府が2012年に発表した、津波の人定被害想定のために設定した関数によると、津波に巻き込まれた場合、わずか1mの浸水深で、ほぼ100%の死亡率になるものとして見積られています。
出展:内閣府/南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ
第一次報告資料:南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ(平成24年8月29日発表)/南海トラフの巨大地震建物被・人的被害の被害想定項目および手法の概要 P.21
実際の状況は、場所や流速などの条件により大きく異なるのかもしれませんが、濁流に呑まれると、意図した方向に泳いで移動することは困難で、それどころか乱流となった水中では、上下左右や進行方向を見定めることすら難しく(サーフィンをしたことがある方はお分かりかと思いますが、波に呑まれた際、視覚的な判断がなければ、自分の体勢や方向、移動状況などを把握するのは困難です)、窒息が迫る危険な状況になるものと思われます。
津波や洪水の襲来時は即座に避難することが第一ですが、津波救助施設は、初期の避難先や「避難路ネットワーク」として機能させるのと同時に、逃げ遅れた場合の「人命のセーフティネット」として機能させることができます。(詳細は「津波救助装置」」のページを参照下さい)。