景観・ギャラリー
津波救助施設が形成する景観についてのギャラリーです
■地域の文脈への介入と価値の付加
津波救助装置は水流を透過させるため、水平方向の風景も大部分透過させることができますが、生活領域の視界に入り込んで来るため、極力景観に配慮することが大切となります。
地域の景観の文脈に加わり、日常生活の新しい機能や景観上の「何か」を付加することも可能です。
フレームで森の樹木をイメージした津波救助施設の例です。背後の樹林や夜空に溶け込み昇って行けるように感じませんか?
階段状の津波救助装置は、線状のLED照明で段板を照らし、または投光器で段板の裏側を照らすと、軽やかな浮遊感が得られ、光害を起こさず適度に施設全体を光らせることができます。夜間の昇降や歩行の安全確保のみならず、景観に「何か」を付加することができます。
津波等の襲来時には、避難先の目印として、また、避難を指示するための合図として、点滅などさせる計画とすると、地域への警報の伝達を、より確実なものとすることができます。
■稜線を描く
津波救助施設は、山の稜線のように有機的なスカイラインを描くことで、幾何学的な人工物でありながら、周囲の都市景観と遠景の自然の景観とを調和させることができます。
工夫することで、場合によっては、当施設が無い場合より、景観を向上させたり、日常の利用等の付加価値を持たせることができます。
尚、稜線状とした場合、稜線のピークには避難タワーややぐらやデッキなどを設けると、二次的な避難先とできます。
海沿いの空中公園に。
広場に面して設けると、観覧席として利用でき、サッカースタジアムにも早変りします。
日常の中に、「空に登る」感覚を取り込むことができます。
津波救助施設は、町の周囲の山に接続させることで、強力な避難路ネットワークやセーフティネットを構成することができます。
通常時は山へのアクセス路となるため、簡単に自然に触れることができるようになります。
私たちは普段、日本の美しい情景をしっかり味わっているでしょうか。
これまでになかった特別な情景を愛でる舞台の現出となるかもしれません。
輝く海には癒されます。日常の風景として味わいたいものですね。
海の景色は心に刻まれるものです。思う存分満喫しましょう。
水平方向に連続する津波救助施設は、ランドスケープの要素を取りまとめ、都市景観に統一性をもたらすことができます。
子供たちの遊び場とすることができます。高く、周囲との見通しが良いため、町から見守られ、町を見渡しながら遊べます。
夕食で呼ぶ声が伝わるかもしれませんね。
ゴージャスな都市公園やポケットパークとして。
平面的・無機質な都市に、色彩や立体空間を付加することができます。
人工物による風景の遮断を感覚的な意味で防止し、逆に、遠くの象徴的な地形を生活環境に持ち込み親しむことができます。
海から上る朝日や、海に沈む夕陽に、特別な力を感じたことは無いでしょうか。
既存の風景の上に、新たなスパイスを書き加えるレイヤーとして機能させることもできます。